9.16.2011
外食企業向け「スタッフ教育ビデオ」
米国の外食業界は、従業員向けの「アレルギー教育」にも熱心に取り組んでいる。具体的には、レストラン協会、健康専門家、シェフなどが共同開発したスタッフ教育ビデオ「Restaurant Training Program」などがある。食物アレルギーの基礎知識、店内での対応の方法、ウエイターや調理人の心得、緊急対応などの実践的な知識を提供。このような教育ビデオは、アレルギー患者サポート団体や米国レストラン協会でオンライン販売されている。
レセプショニスト、ホールスタッフ、料理人などレストラン、ホテルの従業員全員が、食物アレルギーに関する知識をもつことで、アレルギー顧客への安心感を与え、サービス向上につながることを推奨している。
ゲストとのコミュニケーションが一番大事
そもそも欧米と日本では、飲食店と顧客とのコミュニケーションの取り方が異なる。米国の外食産業では、ホスピタリティーとして、いかなる客の要望にも応えるというのが、基本姿勢。客の要望はアレルギーによる料理の注文だけではない。宗教や国の違いによる食べ物の好み、ダイエットや糖尿病などの成人病による食事制限、ビーガンやベジタリアン、最近では動物愛護の運動により、ストイックに動物性のものを食さない人が増えている。そのそれぞれの要望によって料理を変えることが当たり前とされているのだ。店側は、予約時に、どんなアレルギーがあるか、食べ物の好みを予めヒアリングし客を迎える。料理人は要望にも対応するため、材料の変更をするのはごく当たり前である。
マサチューセッツ州は全米で初めて、アレルギーを持つ場合に客は店のスタッフにそれを伝えるよう求めた注意書きをメニューに記載する法律を設定。2010年10月から施行されている。法律では従業員のアレルギーへの理解を高めるためスタッフルームにアレルギーに関する情報が書かれたポスターを貼ることも規定されている。また、今年2月1日からは、レストラン一店につき最低一人のマネージャーがオンラインのアレルギーに関するトレーニングを受けなければならなくなった。トレーニングを受けたスタッフは認証書が発行される。トレーニングでは、アレルギー症状の深刻さから、飲食店の厨房での鍋やまな板などの調理器具の使い分け、アレルギー食材の代替え調理法、ホールスタッフの対応方法など、細かく教育される。米国では身近な人がアレルギーで悩んでいる人も多いため、レストラン側は反発することなく積極的に協力している。